どうも、エンジニアブロガーたか丸(@takamaru_bkrk)です。
秋月電子のDACキット音質改善中です。使用しているキットはコスパ抜群と巷で話題のAKI.DAC-U2704です。
今回加えた改造は以下の2つです。この記事では具体的な内容とその効果について解説していきます。
- LPF(ローパスフィルタ)の追加
- 電源部バイパスコンデンサの強化
▼参考にした記事:わかりやすくまとめていらっしゃるぺるけ氏に感謝です。
How to build and customise AKI.DAC kit
秋月電子からとてもシンプルかつ廉価なDACキットが売られていてネット上でも話題になっています。なんとなく気になっていたので、秋葉原に立ち寄ったついでに買ってしまいました。良く売れるのでしょうか、入り口 …
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LPF追加でクリアな印象に
まずLPF(ローパスフィルタ)の追加についてです。
D/A変換後の出力部は通常、高周波ノイズ(キャリア)除去用のLPFが必要です。高級機種では高次LPFのフィルタを使ってこのキャリア成分を除去しています。
ところがなんと!AKI.DAC-U2704にはそのLPFがありません!追加します。
回路図
追加したLPFを回路図にするとこんな感じです。LPFは参考サイトものをそのまま流用しました。
RCで2次のフィルタにしています。非常に簡単な構成なので工作が簡単ですね。
周波数特性(シミュレーション)
周波数特性はこんな感じです。
音の変化:クリアに
このLPF追加によって音がかなりクリアになりました。
(@PC→DAC→真空管アンプ→スピーカー で確認)
アンプの帯域を広げた時とはちがったクリアさで、ジャミジャミ、シャカシャカした成分が取れて、音にかかったベールがとれたように感じます。ノイズにマスキングされるくらいの微小な信号が聞こえるようになったのでしょうか。
*カットオフ周波数40kHz
追加したLPFのカットオフ周波数は40kHzで、可聴域(20-20kHz)での減衰は-1dB以下です。減衰したのはほとんど可聴域外の周波数なのに、聴覚に影響するようですね。不思議。
※出力に直列に抵抗が入って出力インピーダンスが上がった分、出力レベルは下がります
*PC直出しと比較
PCのアナログ出力と比較すると、DACは教科書的なキレイな音ですね。ロックとかの迫力が必要な音楽にはアナログ出力のほうが好みな雰囲気です。
アンプやスピーカーの組み合わせでも印象が変わるかと思いますが、音は確実に変化しました。
電源パスコンの強化は効果なし
続いて電源部パスコンの強化についてです。
結果から言うと、効果が全く分かりませんでした。いわゆるオーディオ向けな低ESR品のOSコンを使っても変化なしです。お守りみたいなものだと考えたほうがいいレベル。
回路の設計のほうが音質によっぽど効いてくるのでは?回路エンジニアとしていい経験になりました。
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まとめ
- 秋月DACの出力に簡易LPF追加で音質向上しました
- 電源パスコンの強化は今回は効果なし
2015/12/12追記
ケースに収めました。
秋月キットDACをケースに収める
【2017/05/18追記】
改めてDAC自作に関する記事をまとめました。
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関連書籍:高音質ヘッドホンアンプの設計
オーディオ回路のイロハはこちらの本が参考になります。
ネットに落ちてる回路図をそのまま作るだけじゃなく、設計の追体験をすることで理解が深まるオススメ本です。作例回路は音質もそこそこ。
その後、オーディオアンプの自作にも挑戦しました。
詳しくは『自作オーディオアンプ ぺるけ氏のミニワッターを作ってみた』で。