【初めてのヘッドホンアップ設計】ヘッドホンの仕様からヘッドホンアンプの仕様を決めるには

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どうも、たか丸です。

ヘッドホンアンプを作ろうとゴニョゴニョしています。

アンプの仕様を決めるために、持っているヘッドホンの仕様を整理してみました。

出力可能な最大値は115dB出力を基準に決める

持っているヘッドホン/イヤホンの仕様をまとめるとこんな感じになりました。表から、ヘッドホンアンプに求められる仕様は最大電圧1.01V、最大電流56mAということになります。

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※クリックで拡大

表の右側の115dB出力時の値は計算値です。115dBという音圧は、5分以上聞く場合に聴覚保護器具が必要とされる大音量です。最大で115dB出せるように設計すれば音量不足の心配はないというわけです。

計算方法

表の115dB出力時の計算値の求め方をまとめます。

基本の式は電力(パワー)Pと電圧Vと電流Iの関係式です。

基本式1

これにデシベル変換の式(下式)を組み合わせます。

基本式2

上の2式を使って、115dB出力時の値を以下のように計算しました。

電力の計算

115dBの音圧を出すために必要な電力Pは、出力音圧レベル(1mW入力時の音圧)と115dBの差なので、

式3

電圧の計算

電圧Vは電力の式から、

式4

電流の計算

電流も電力の式から、

式5

ピーク値=実効値×√2 ですね。(※上式中I, Vは実効値)

電圧利得を決める

秋月電子キットDACの出力をヘッドホンアンプに入力するシステムを想定して、電圧利得は6dB(2倍)とします。

 

秋月DACの出力は最大ピークで0.9V。出力の目標値1.01Vを出すには2倍あれば十分です。

参考にしている本「OPアンプMUSESで作る高音質ヘッドホン・アンプ」では電圧利得を5.7倍に設定しています。これはAKGのK242HGで115dB出すためには約5V、100mA必要なことからきていると考えられます。

まとめ

115dB出力を目標にヘッドホンアンプの仕様を決めてみました。

  • 最大出力電圧:1.01V(peak)
  • 最大出力電流:56mA(peak)
  • 電圧利得:6dB

これがSONYのスタジオ品質、、、オススメのモニターイヤホンMDR-EX800STを手に入れるべし!

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本の説明が計算で理解できると気持ちがいいです。本業がこうやって趣味に活かされるの嬉しいものがあります。

これで音楽を聴くのがもっと楽しくなるといいなぁ。

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