【フロイドローズ金属音を改善】Ibanez RG2550Eの改造まとめ

【フロイドローズ金属音を改善】Ibanez RG2550Eの改造まとめ

「フロイドローズのギターを買ってみたけど音がいまいちシックリこない。詰まったような、金属的な音で扱いにくい。せっかく買ったし調整とかでどうにかできないものか、、、」

と悩んでいませんか?僕も同じように考えていたひとりです。「せっかく日本製Ibanez RGを買ったのに、こんなにイマイチなの?」と。

この記事では、Ibanezのフロイドローズ(FRTブリッジ)搭載ギターRG2550Eの調整・改造をまとめます。購入時は倍音が少なく硬い音でしたが、少しの改造と調整で、太く伸びやかでありながらFRT特有の輪郭のはっきりしたサウンドが得られました。

ちなみに筆者は高校生の時からギターを弾いている35歳です(J-Rockから入りましたが、現在は速弾きギターを練習中)。音質の評価で大きく外れたことは言っていないはず。とはいえ音の感じ方はそれぞれなので、あくまでも一例としてお楽しみください。

結論

  • 金属的な音を改善するには、音作りや回路よりも生音が重要
  • 弦ゲージを細くすれば倍音が豊かになる。
  • スプリングハンガーをブラス製に交換するとファットなトーンが得られる。
  • スプリングの種類や掛け方で音像を調整できる。

弦をアーニーボールのMighty Slinky(085-40)に、スプリングハンガーをブラス製のものに交換し、スプリングを調整したらいい感じになりました。

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RG2550Eの仕様とBefore After

RG2550Eは日本製プレステージのRGです。

仕様は以下のようになっています。

  • 木材:バスウッドボディ、メイプルネック、ローズウッド指板
  • ブリッジ:Edge Pro Tremolo
  • ネックタイプ:Wizard Prestige
  • ピックアップ:DiMarzio IBZ(HSH)

参考:https://ibanez.fandom.com/wiki/RG2550E

普通の『フロイドローズ×HSHのRG』ですね。

音質Before:金属感が強すぎる

RG2550Eはオリジナルの状態だと、コンコン・パツパツ・カリカリしていて線が細い印象でした。「歪ませても潰れない」とも取れますが、弾いていて物足りないギターだと感じてしまいます。音作りをいろいろと試したけど、やっぱり倍音が少なくて僕には扱いにくかったです。

音質After:金属感に温かみがプラス

冒頭でまとめた改造と調整(アーニーボールのMighty Slinkyブラス製スプリングハンガー、スプリング調整)を加えることでサウンドに奥行き・温かみが加わり、扱いやすくなりました。

フロイドローズの金属音改善で考えたこと

以下では、「FRTブリッジ特有の金属的すぎる音質を改善するために考えたこと」を時系列でまとめます。興味のある方はご覧ください。

フロイドローズギターで気になったこと(問題点)

  • 音がきつい(アタックが耳に刺さる)
  • コンコンしすぎ、細い
  • 歪みの乗りが悪い、アタックばかりが前に出る

弾いてみて感じたのは、良くも悪くもコンコンしたトーンということ。アタックがはっきりしている反面、倍音は過度に抑えられており奥行きがなさすぎる印象。(理想はレスポールみたいな豊かな歪み、倍音感、ドッシリ感)

フロイドローズはチューニングが安定していて便利なので、なんとか好みのトーンに近づけられないかと改造を開始しました。

生音改善が有効(音作り等ではどうにもならなかった)

  • まずは音作りで対応
    →どうにもならない
  • ポット、コンデンサ、線材を交換
    →クリアにはなったが根本的解決にはならず
  • ネジのトルク、ポールピース調整など
    →リアPUのフロント側ポールピースを上げるとアタックがおとなしくなった。ロックナットを外すと金属感が和らいだ。

音作りではどうにもできず、ポットをCTS(500kA)に、コンデンサをオレンジドロップ(0.022uF/400V)に、出力部の線材をBELDEN8460に変更。音質は改善したものの、根本解決にはなりませんでした。

他にもネジのトルク、ポールピース調整など、部品交換以外の方法も実施。「リアPUのフロント側ポールピースを上げるとアタックがおとなしくなる」「ロックナットを外すと金属感が和らぐ」などの知見は得られましたがやはり根本解決にはなりませんでした。

多分ピックアップを交換しても無駄なんだろうな、、、

しかしながら、生音が好みの方向にシフトすれば、アンプからの出音も好みの方向に変化することはわかりました。そこで「生音に温かみを加える必要があるかも」「金属感を減らすよりも倍音を増やす方向が有効かも」と発想し、生音に集中してアプローチすることに。

生音改善にアプローチする手段

生音改善にアプローチするには以下の手段があると思います。

  • ペグ:一般に、軽くすれば響きが増え、重くすればローが出る(純正のGOTOHから変える意味は薄そう)
  • ナット:素材によってトーンが異なる(ロックナットからの交換は困難)
  • ブリッジ:ブリッジが金属音の一番の原因(しかし交換は困難)
  • スプリング:簡単に交換でき、音質変化の効果も大きい
  • フローティング調整:ボディと並行の状態から上げるとテンション感が下がる。
  • 弦ゲージ:太いと低音が増し倍音は減る、細いと低音は減り倍音は増える

お困りの方はこれらを試行錯誤してみるといいと思います。

今回は交換が簡単なスプリングと弦に焦点を当てて改造してみました。

  • スプリングハンガーをブラス製に交換
  • 弦をアーニーボールのMighty Slinkyに交換
  • スプリングを調整し少し浮き気味に

狙いどおり生音と出音が好みの方向にシフト(金属感は残っているけど、ローとハイが増えて相対的にアタックが引っ込んだ)。弾いていて違和感のないレベルまで改善することができました。

特にブラス製ハンガーによる変化が大きかったです。

スプリングをロービンテージのものに変えたりもしましたが、ブラス製ハンガーとの相性は微妙でしたね。ファットになりすぎて高音が埋もれてしまいました。逆に純正ハンガーでロービンテージのスプリングだと効果は薄かったです。

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結論:フロイドローズ金属音の改善にはブラスハンガーがおすすめ

この記事では、フロイドローズ金属音の改善の例として、Ibanez RG2550Eの調整・改造をまとめました。

  • フロイドローズの金属的な硬質サウンドは、生音が大きな要因。
  • まずは効果の大きいスプリングハンガーの交換がおすすめ。
  • 最終的な微調整は弦ゲージとスプリングでできる。

ギターの音質に違和感があっては演奏に集中できませんよね。フロイドローズ特有のキンキン、パツパツした感じを緩和させたい方はまず、ブラス製のトレモロハンガーを試してみてはいかがでしょうか?

ピックアップ交換よりも安価で、ドライバー1本で交換できるので挑戦しやすいですよ。

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