回路シミュレーターSIMetrixの使い方 部品ライブラリに定番トランジスタのモデルを追加する

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どうも、たか丸です。

今回は、回路シミュレータSIMetrixに、2SC1815など定番のトランジスタのシミュレーションモデルを追加する方法についてです。

書籍やネット上では「SIMetrixはモデルの追加がラク!!」と謳っていますが、とんでもない。バイポーラトランジスタのモデル追加に関してはつまづくポイントが多々あります。

http://bokuraku.com/39659091/

SIMetrixはLTSpiceに比べて操作が直感的なところが好きです。無償版でも十分使えます。

トランジスタモデル追加の手順は以下の通りです。

  1. モデルのダウンロード
  2. モデルファイルの手直し
  3. SIMetrixにインストール

モデルのダウンロード

1.CQ Connectのダウンロード一覧にアクセス
http://cc.cqpub.co.jp/system/document/type=4/

2.会員登録後、「東芝製トランジスタ・モデルをLTSpiceに追加する」の項目をダウンロード

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トランジスタのモデルってメーカーのサイトを探してもあまりリリースされていません。ICのマクロモデルは結構公開されているんだけど。いまさら需要はないのでしょう。

個人で公開されているものもありますが、信頼性がちょっと・・・。CQなら安心ですね。

モデルファイルの修正

1.ダウンロードしたファイル(LTSpiceBjtModel.txt)をメモ帳などで開く

2.モデル名の頭にアルファベットを追加、Vceo、Icrating、mfgの項目をコメントアウト

例えばこんな感じです。(コメントアウトは*です。)

変更前

.model 2SC1815GR  NPN(Is=10f Bf=283 Ikf=3 Nk=1.5 Br=2 Vaf=100 Rc=1.3 Re=50m RB=13 Cjc=5p Vjc=0.2 Mjc=0.2 Cje=12p Vje=0.75 Mje=0.33 Tr=5n Tf=500p Vceo=50 Icrating=150m mfg=TOSHIBA)

変更後

.model Q2SC1815GR  NPN(Is=10f Bf=283 Ikf=3 Nk=1.5 Br=2 Vaf=100 Rc=1.3 Re=50m RB=13 Cjc=5p Vjc=0.2 Mjc=0.2 Cje=12p Vje=0.75 Mje=0.33 Tr=5n Tf=500p)
*(Vceo=50 Icrating=150m mfg=TOSHIBA)

ダウンロードしたモデルはLTSpice用のもので、そのままSIMetrixにインストールしてもエラーが出て使用できません。SIMetrixの仕様として、

  • モデル名の先頭数字はNG
  • Vceo、Icrating、mfgは認識できない

というのがあるようです。

▼参考:Vceo, Icrating, mfgの意味
http://www.eleki-jack.com/KitsandKids2/2008/06/ltspice19spice2.html

SIMetrixにインストール

1.SIMetrixを起動

2.修正したファイル(LTSpiceBjtModel.txt)をSIMetrixのCommand Shellにドラッグ

Command Shellとは起動時に開くウィンドウのことです。

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ドラッグしてOK。

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Completedの表示が出ればモデルの追加は完了です。

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収録モデルの詳細

今回ダウンロードしたモデルファイルに入っているトランジスタをまとめるとこのようになります。(リンク先はデータシート)

主な用途 npn pnp 備考
低周波増幅 2SC1815 2SA1015 Vceo=50V, Ic=150mA
励振増幅 2SC3423 2SA1360 Vceo150V=, Ic=50mA
電力増幅 2SC4793 2SA1837 Vceo=230V, Ic=1A
電力増幅 2SC5200 2SA1943 Vceo=230V, Ic=15A

トランジスタの特性は用途が同じであれば似ているものが多いです。これだけあればオーディオ回路のような低周波回路では大抵の事はできるはずです。

まとめ

無料でここまでできるなんていい時代です。

モデルを探していて問題を解決できるクリティカルな記事が見つからなかったので、自分でまとめてみました。質問があれば、お気軽にどうぞです。

参考図書

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